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ジャカルタの舞台裏。スラムを歩く (1)

  • 執筆者の写真: Takachi Nobuyuki
    Takachi Nobuyuki
  • 2016年12月25日
  • 読了時間: 2分

ジャカルタ中心部タナアバン(Tanah Abang)駅裏の河川敷は、ビニールシートで作られた粗末な「家」が立ち並び、小規模なスラムを形成している。自宅から程近い事もあり、僕はよくここを散歩する。

ここの住人が所謂貧困層である事は疑う余地もないが、彼らは皆一様に生業 −−廃品回収や屋台−− を持っており、大都市ジャカルタを支えるインフォーマルな「縁の下の力持ち」的存在となっている。

発展目まぐるしいジャカルタ。その舞台裏であるスラムの様子を、写真と共に数回に分けて取り上げる。

深夜、原付バイクに跨がりこの河川敷を走ってみると、大きな火の手が上がっていた。

炎は河原を隔てる1メートル程度の塀を易々と乗り越え、今にも河川敷の家に燃え移るのではないか思う程の勢いだ。周囲は真っ白い煙に覆われ、視界は2メートルも無い。その中をバイクで突っ切ると、油を燃やした様な独特の臭気が目に滲みる。

一体何が起きているのだろうか。

バイクを止めて炎に近づいてみると、夫婦が河原で椰子の実の殻を燃やしていた。 屋台や市場で消費された椰子の殻を引き取り、こうして毎晩「焼却処分」しているのだという。

恐らくジャカルタの至る所に、こうした零細処分場が存在するだろう。彼らは大都市が吐き出す廃棄物を分解する、微生物の様な立場を占めているのだ。

油分を多く含む椰子の殻は良く燃える。

燃え盛る炎が照らし出す。

カメラを塀に固定して長時間露光。三脚を持っていなかったので思う様に構図が作れず。

背後にそびえ立つ高層ビル群とスラムの日常。その対比が面白く、早朝の礼拝時間を告げるアザーンが鳴り響くまで、河川敷で写真を撮っていた。

 
 
 

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