ジャカルタの舞台裏。スラムを歩く (2)
- Takachi Nobuyuki
- 2016年12月26日
- 読了時間: 2分
ジャカルタ中心部タナアバン(Tanah Abang)駅裏の河川敷は、ビニールシートで作られた粗末な「家」が立ち並び、小規模なスラムを形成している。自宅から程近い事もあり、僕はよくここを散歩する。
ここの住人が所謂貧困層である事は疑う余地もないが、彼らは皆一様に生業 −−廃品回収や屋台−− を持っており、大都市ジャカルタを支えるインフォーマルな「縁の下の力持ち」的存在となっている。
発展目まぐるしいジャカルタ。その舞台裏であるスラムの様子を、写真と共に数回に分けて取り上げる。
タナアバン(Tanah Abang)駅から 隣駅のカレット(Karet)方面に抜ける。この距離にして2キロ程度の短い道沿いに、彼らの住居がある。
スラムを歩くと言うのは一見危無謀な挑戦の様に聞こえるが、自分はこれまで危険な目に遭った事はない。
ここの住民が所謂貧困層である事は確かだが、彼らは皆それぞれ生業を持ちコミュニティを築いているし、南国では食べ物に困る事もそうそうない。強盗まがいの悪事を働く程、困窮している訳ではないのだ。

彼らの代表的な生業のひとつに廃品回収業がある。道端にポイ捨てされたペットボトルや、プラスチックコップを拾い集め、リサイクル業者に販売するのだ。1キロあたり2,000ルピア(約15円)程度で売れるという。
土曜日の昼間にこの道を散歩していると、いたる所でプラスチックゴミの「出荷準備」を見る事が出来た。
ペットボトルのラベルを剥がし、プラスチックカップは重ねて麻袋に詰込んでいく。
彼らはジャカルタという広大なジャングルを縦横無尽に歩き、プラスチックという木の実を拾い集める、現代の採集民なのだ。




麻袋いっぱいに詰込まれた「商品」は、軽トラで出荷されていく。
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