土曜日の朝
- Takachi Nobuyuki
- 2017年3月12日
- 読了時間: 1分
朝6時半。
真西に面した窓から光がマンションの廊下に差し込んでいた。不思議に思い窓から外を眺めてみると、遠くにあるガラス張りの高層ビルが真東に登る朝日を反射している様であった。

光の正体を確認して納得した僕は、そのままエレベーターで33階から1階まで下り、外へ出た。
そこではマンションの廊下に差していた光がより力強く降り注ぎ、いつもの通勤路を黄色く染め上げていた。その景色は毎朝7時半過ぎの通勤時とは全く違う。たった1時間、太陽の角度が15度違うだけで、こんなにも世界の見え方は変わるのだ。
土曜日の朝という事もあって、辺りは閑散としていた。
屋台で朝食をする人の横を、時折バイクが長い影を引きずりながら過ぎ去って行く。振り返ってみると、自分の後ろにも身長の倍はありそうな分身が張り付いていた。そういえば子どもの頃、影の長くなる夕暮れ時によく影踏みをして遊んだものだ。



しばらく辺りを散歩した後、屋台でソトアヤムを食べて帰宅した。時間はまだ朝7時半。
早起きは3文の得というのもあながち間違いじゃない。

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